「住宅ローンは年収の何倍まで借りていいの?」注文住宅を検討するとき、誰もが一度はぶつかるこの疑問。
住宅ローンの目安として「年収の5〜7倍以内」とよく言われますが、実際にフラット35で家を建てた方々はどれくらいの倍率で購入しているのでしょうか。
この記事では、住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査 2024年度」をもとに、47都道府県の年収倍率(総費用÷世帯年収)ランキングを一挙公開します。
「自分の県は無理のある水準?それとも余裕あり?」ぜひ確認してみてください。
- 47都道府県の年収倍率ランキング(1位〜47位)
- 年収倍率が高い県・低い県の特徴と理由
- 「5〜7倍」という目安は本当に正しい?
- 地域別の年収倍率の傾向
- 無理のない資金計画を立てるためのヒント
住宅ローンの年収倍率とは
年収倍率とは?
年収倍率=総費用(建設費+土地代)÷ 世帯年収で計算します。
たとえば総費用5,000万円・世帯年収700万円なら、年収倍率は約7.1倍。
この数値が高いほど、収入に対して多くの借入をしていることを意味します。
一般的には「5〜7倍が安全圏」とされていますが、これはあくまでも目安。
金利・返済期間・頭金の額・毎月の生活費・教育費など、家庭によって事情は大きく異なります。
ランキングを見る際は「平均がこうだから自分も大丈夫」ではなく、あくまで「自分の家庭の状況と照らし合わせるための参考値」として使ってください。
住宅金融支援機構「フラット35利用者調査 2024年度」土地付き注文住宅(全国6,330件)の平均値をもとに算出しています。
年収倍率=(建設費+土地取得費)÷世帯年収で計算しています。
住宅ローン年収倍率の全国平均
まずは全国の平均値を確認しておきましょう。
| 全国平均の年収倍率 | 6.9倍 |
|---|---|
| 総費用(全国平均) | 5,007万円(建設費3,512万円+土地代1,495万円) |
| 世帯年収(全国平均) | 729万円 |
| 総返済負担率(全国平均) | 26.8%(収入の約4分の1) |

「7倍近くまで借りているんだ…」と驚く方もいるかもしれませんね。でも、この数字は土地代込みのトータルです。
都市部では土地だけで2,000万円以上かかるケースも多いので、そのあたりも念頭に置いて読んでみてください。
47都道府県の年収倍率の分布
47都道府県の年収倍率がどのくらいの範囲に集まっているか、分布を確認しておきましょう。
| 年収倍率 | 都道府県数 | 傾向 |
|---|---|---|
| 5倍未満 | 1県 | 沖縄県のみ(超高年収エリア) |
| 5〜6倍 | 4県 | 富山・長野・徳島・青森 |
| 6〜7倍 | 30県 | 全国の約6割。いわば「標準ゾーン」 |
| 7倍以上 | 12県 | 首都圏・近畿圏が中心 |
約6割の都道府県が6〜7倍のゾーンに集中しています。
「年収の5〜7倍が安全圏」という目安は、全国的な実態とほぼ合致しています。
ただし7倍を超える県も12県あり、都市圏を中心に「かなり背伸びして購入している」実態も見えてきます。
47都道府県の年収倍率ランキング
それでは、全47都道府県の年収倍率ランキングを一覧でご覧ください。
🔴 赤色背景:年収倍率7倍以上(返済負担が重め)
🟢 緑色背景:年収倍率6倍未満(比較的ゆとりあり)
| 順位 | 都道府県 | 年収倍率 | 総費用 | 世帯年収 | 土地代 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 鳥取県 | 8.48倍 | 3,924万円 | 463万円 | 708万円 |
| 2位 | 東京都 | 7.56倍 | 7,308万円 | 967万円 | 3,838万円 |
| 3位 | 奈良県 | 7.55倍 | 5,302万円 | 702万円 | 1,549万円 |
| 4位 | 和歌山県 | 7.44倍 | 4,304万円 | 579万円 | 849万円 |
| 5位 | 京都府 | 7.37倍 | 5,239万円 | 710万円 | 1,874万円 |
| 6位 | 埼玉県 | 7.32倍 | 5,368万円 | 733万円 | 1,714万円 |
| 7位 | 大阪府 | 7.32倍 | 5,355万円 | 732万円 | 2,193万円 |
| 8位 | 滋賀県 | 7.30倍 | 4,366万円 | 598万円 | 1,087万円 |
| 9位 | 兵庫県 | 7.11倍 | 5,490万円 | 772万円 | 1,828万円 |
| 10位 | 神奈川県 | 7.10倍 | 5,913万円 | 833万円 | 2,552万円 |
| 11位 | 熊本県 | 7.09倍 | 4,372万円 | 616万円 | 904万円 |
| 12位 | 群馬県 | 7.06倍 | 4,437万円 | 628万円 | 798万円 |
| 13位 | 広島県 | 7.00倍 | 5,212万円 | 745万円 | 1,428万円 |
| 14位 | 千葉県 | 6.97倍 | 4,994万円 | 717万円 | 1,484万円 |
| 15位 | 宮城県 | 6.97倍 | 4,714万円 | 676万円 | 1,288万円 |
| 16位 | 福島県 | 6.95倍 | 4,588万円 | 660万円 | 956万円 |
| 17位 | 岡山県 | 6.93倍 | 4,632万円 | 668万円 | 1,039万円 |
| 18位 | 茨城県 | 6.91倍 | 4,369万円 | 632万円 | 817万円 |
| 19位 | 岐阜県 | 6.90倍 | 4,390万円 | 636万円 | 854万円 |
| 20位 | 福岡県 | 6.89倍 | 5,021万円 | 728万円 | 1,293万円 |
| 21位 | 長崎県 | 6.88倍 | 4,344万円 | 632万円 | 996万円 |
| 22位 | 高知県 | 6.85倍 | 4,348万円 | 635万円 | 885万円 |
| 23位 | 大分県 | 6.84倍 | 4,435万円 | 649万円 | 882万円 |
| 24位 | 愛知県 | 6.79倍 | 5,381万円 | 793万円 | 1,775万円 |
| 25位 | 新潟県 | 6.72倍 | 4,357万円 | 649万円 | 856万円 |
| 26位 | 山口県 | 6.67倍 | 4,611万円 | 691万円 | 882万円 |
| 27位 | 宮崎県 | 6.55倍 | 4,638万円 | 708万円 | 883万円 |
| 28位 | 島根県 | 6.51倍 | 3,801万円 | 584万円 | 725万円 |
| 29位 | 岩手県 | 6.51倍 | 3,786万円 | 582万円 | 657万円 |
| 30位 | 三重県 | 6.50倍 | 4,522万円 | 696万円 | 974万円 |
| 31位 | 佐賀県 | 6.50倍 | 4,306万円 | 663万円 | 813万円 |
| 32位 | 山形県 | 6.46倍 | 4,091万円 | 633万円 | 794万円 |
| 33位 | 愛媛県 | 6.45倍 | 4,325万円 | 671万円 | 1,113万円 |
| 34位 | 鹿児島県 | 6.38倍 | 3,991万円 | 626万円 | 865万円 |
| 35位 | 秋田県 | 6.35倍 | 3,799万円 | 598万円 | 617万円 |
| 36位 | 石川県 | 6.30倍 | 4,239万円 | 673万円 | 970万円 |
| 37位 | 静岡県 | 6.29倍 | 4,920万円 | 782万円 | 1,205万円 |
| 38位 | 北海道 | 6.29倍 | 4,933万円 | 784万円 | 1,112万円 |
| 39位 | 栃木県 | 6.23倍 | 4,278万円 | 687万円 | 835万円 |
| 40位 | 香川県 | 6.13倍 | 4,120万円 | 672万円 | 764万円 |
| 41位 | 福井県 | 6.05倍 | 4,035万円 | 667万円 | 798万円 |
| 42位 | 山梨県 | 6.01倍 | 4,487万円 | 747万円 | 867万円 |
| 43位 | 青森県 | 5.96倍 | 4,306万円 | 723万円 | 718万円 |
| 44位 | 徳島県 | 5.66倍 | 4,161万円 | 735万円 | 692万円 |
| 45位 | 長野県 | 5.50倍 | 5,268万円 | 958万円 | 1,247万円 |
| 46位 | 富山県 | 5.25倍 | 3,845万円 | 733万円 | 710万円 |
| 47位 | 沖縄県 | 4.41倍 | 5,125万円 | 1,163万円 | 1,739万円 |
ランキングを見て「え、なんで?」と思ったデータがいくつかあると思います。
特に注目したい県を深掘りしていきます。
1位・鳥取県:なぜ8.48倍という突出した数字に?
鳥取県の年収倍率8.48倍は、全国でダントツの1位。
でも、総費用は3,924万円と実は全国でも安い部類です。
なぜこんなに倍率が高いかというと、世帯年収が463万円と47都道府県で最も低いから。
総費用が安くても、それ以上に年収が低いため、倍率だけ見ると「かなり無理をしている」ように見えます。サンプル数が7件と少ないため、データのブレも考慮が必要です。
47位・沖縄県:なぜ4.41倍という全国最低倍率?
沖縄県の4.41倍は全国で唯一の「5倍未満」。
ここで注目すべきは、沖縄県の世帯年収が1,163万円と全国47位の中でダントツのトップであること。
総費用は5,125万円とむしろ全国平均より高いのに倍率が低いのは、それだけ年収が飛び抜けて高いからです。
フラット35利用者に限ったサンプルのため、特定の職種・収入層に偏りがある可能性があります。

鳥取や沖縄のようなケースを見ると、「年収倍率はあくまで結果であって、目的ではない」ということがよくわかります。
大切なのは毎月の返済額が家計の中で無理なく続けられるかどうか、ですよね。
年収倍率の地域別傾向
地域ごとにまとめると、年収倍率の傾向がより明確になります。
| 地域 | 年収倍率 | 総費用 | 世帯年収 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 近畿圏 | 7.30倍 | 5,193万円 | 711万円 | 年収の伸びより土地高騰が上回る |
| 首都圏 | 7.24倍 | 5,791万円 | 800万円 | 年収高いが土地代がさらに高い |
| 南関東 | 7.06倍 | 5,467万円 | 774万円 | 首都圏の影響で土地代重め |
| 東海圏 | 6.64倍 | 4,976万円 | 750万円 | 三大都市圏で最もバランスよし |
| 東北 | 6.62倍 | 4,266万円 | 644万円 | 費用安いが年収も低め |
| 北部九州 | 6.86倍 | 4,863万円 | 709万円 | 福岡の地価上昇が影響 |
| 北陸 | 5.90倍 | 4,066万円 | 689万円 | 全国で最もゆとりある水準 |
| 四国 | 6.34倍 | 4,270万円 | 674万円 | 費用・倍率ともに低め |
| 北海道 | 6.29倍 | 4,933万円 | 784万円 | 建設費高めだが年収も高い |

大阪・奈良・京都・兵庫など、近畿圏はどの府県も7倍前後という高倍率が並んでいます。
年収は首都圏ほど高くないのに、土地代は都市部並みに高い、というのが近畿圏の特徴。
「首都圏より大阪のほうが家計への負担が重い」という現実、住宅購入を検討中の方はぜひ念頭に置いてみてください。
年収倍率が7倍を超えている県の共通点
年収倍率7倍以上の12県を見ると、大きく3つのパターンに分かれます。
パターン①:土地代が高い都市型(東京・神奈川・大阪・京都・埼玉・兵庫)
年収は高めだが、それ以上に土地代が高く、結果として倍率も高くなるパターン。
東京都の土地代3,838万円が象徴的です。
「高年収でも都市部では余裕がない」現実がデータに表れています。
パターン②:年収が低いため倍率が上がる地方型(和歌山・滋賀・熊本・群馬)
総費用は全国平均より安いのに、世帯年収が低いため倍率が高くなるパターン。
和歌山県(年収579万円・倍率7.44倍)・滋賀県(年収598万円・倍率7.30倍)などが該当します。
「安い家でも、年収が低ければ負担は重い」というシンプルな事実です。
パターン③:特殊事情型(鳥取県)
サンプル数が少なく(鳥取県は7件)、データにブレが生じている可能性があります。
1位という結果は参考程度に見ておくほうが無難です。
年収倍率が低い県の共通点
逆に年収倍率が低い県(6倍未満)には、どんな共通点があるでしょうか。
| 都道府県 | 年収倍率 | 総費用 | 世帯年収 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 沖縄県 | 4.41倍 | 5,125万円 | 1,163万円 | 年収が突出して高い |
| 富山県 | 5.25倍 | 3,845万円 | 733万円 | 総費用が安く年収も普通 |
| 長野県 | 5.50倍 | 5,268万円 | 958万円 | 年収が高い |
| 徳島県 | 5.66倍 | 4,161万円 | 735万円 | 総費用が安い |
| 青森県 | 5.96倍 | 4,306万円 | 723万円 | 土地代が安い |

特に富山県の5.25倍は、年収が特別高いわけでも(733万円は全国平均並み)、極端に安いわけでもないのに達成しています。
「土地代が安い(710万円)」というシンプルな理由で、家計に余裕のある住宅購入が実現できているんです。
年収倍率の「安全圏」の考え方
「年収の5〜7倍」という目安は正しい?
今回のデータで全国平均が6.9倍という結果が出ました。
「みんなが6〜7倍で買っているなら大丈夫」と安心したくなる気持ちはよくわかります。
でも、以下の点は必ず確認してください。
- 頭金の額:頭金が多いほど借入額は減り、月々の返済は楽になります
- 金利の種類:フラット35(固定)か変動金利かで総返済額は大きく変わります
- 返済期間:35年返済と20年返済では月々の負担が全く異なります
- 生活費・教育費:子どもの進学・車の買い替えなど、住宅ローン以外の大きな出費も要考慮
- 共働きの安定性:産休・育休・転職・介護など収入が変わる可能性も想定を
「みんな7倍近くで買っているから大丈夫」ではなく、「自分の家庭では毎月いくら返済できるか」から逆算するのが正しい資金計画の順序です。
総額や倍率よりも、毎月の返済額が手取りの25〜30%以内に収まるかを目安にしてみてください。
まとめ

- 全国平均の年収倍率は6.9倍。約6割の都道府県が6〜7倍ゾーンに集中している
- 最高は鳥取県の8.48倍(年収が低いため)、最低は沖縄県の4.41倍(年収が突出して高いため)
- 7倍超は12県。首都圏・近畿圏の土地高騰エリアと、地方の低年収エリアが混在
- 近畿圏(7.30倍)は首都圏(7.24倍)より年収倍率が高いという意外な事実
- 年収倍率が低い「ゆとりある購入」ができているのは、北陸・四国・北海道エリア
- 倍率より「毎月の返済額が手取りの25〜30%以内か」を基準にするのが堅実

でも、平均はあくまでも平均。重要なのは、自分たちの家計で無理なく続けられる返済プランを立てることです。
不安な方はファイナンシャルプランナーへの相談も選択肢のひとつ。
せっかくのマイホーム、資金計画をしっかり立てて、安心してスタートを切ってくださいね。
47都道府県それぞれの詳細データは、都道府県別まとめ記事もあわせてご覧ください。
また、建てた方々の年齢・年収・家族構成などの属性データは、フラット35利用者の実態まとめ記事で詳しく解説しています。
独立行政法人 住宅金融支援機構「フラット35利用者調査 2024年度集計」(土地付き注文住宅)/ 調査対象期間:2024年4月〜2025年3月融資実行分 / 全国6,330件のサンプルに基づく平均値 ※ 鳥取県・島根県はサンプル数が7件と少ないため、データにブレが生じている可能性があります。参考値としてご覧ください。 ※ 本記事の数値はすべて平均値です。実際の費用は土地の条件・建物の仕様などにより大きく異なります。資金計画は必ず専門家にご相談ください。




