「東京で注文住宅って、現実的に無理じゃないの?」
子育て中の身として、正直なところそう思っていました。
でも夫の実家が東京にあって、できれば都内で家を建てたい。
土地が高いのはわかってる。でも実際いくらかかるのか、年収いくらあれば建てられるのか、どのエリアなら現実的なのか
——具体的な数字がどこにも見当たらなくて、不安だけが先走る。
そんな方に向けて、この記事を書きました。
住宅金融支援機構「フラット35利用者調査 2024年度」は、国の公的機関が毎年まとめている実績データ。
東京都分だけで311件、実際にローンを組んで家を建てた方の費用・年収・家族構成がそのまま数字になっています。
2024年度データは2024年4月〜2025年3月の融資実行分を集計したもので、資材・人件費の高騰が続く今の市況を直接反映した、2026年時点で最も信頼できる費用相場です。
広告ではなく、実際に東京で家を建てた311人のリアルな記録を、子育て主婦の目線でわかりやすく読み解いていきます。
- 東京都の注文住宅(土地付き)の平均総費用・建設費・土地代【最新2024年度】
- 全国平均・首都圏・埼玉・神奈川との費用比較
- 世田谷区・練馬区・足立区・江戸川区・八王子市など人気エリア別の土地相場感
- 東京都の年収倍率7.6倍の実態と「23区 vs 郊外」の考え方
- 実際に家を建てた人のプロフィール(年齢・年収・家族構成)
- 子育て世代が東京で家を建てる際の現実的な視点
住宅金融支援機構「フラット35利用者調査 2024年度」(土地付き注文住宅)より。東京都のサンプル数は311件。
2024年4月〜2025年3月の融資実行分に基づく平均値です。
【最新2024年度】東京都の注文住宅にかかる費用の平均
まずは、東京都で実際に家を建てた311人のデータを一覧でご覧ください。
| 総費用(建設費+土地代) | 7,308万円 |
|---|---|
| うち建設費 | 3,469万円 |
| うち土地取得費 | 3,838万円 |
| 世帯年収(平均) | 967万円 |
| 年収倍率 | 7.6倍 |
| 住宅面積(平均) | 104.0㎡(約31.5坪) |
| 敷地面積(平均) | 125.0㎡(約37.8坪) |
| 総返済負担率 | 27.4% |
| データのもとになった件数 | 311件 |

総費用7,308万円…!これは本当に衝撃的な数字ですよね。わたしも初めて見たとき、画面をじっと見つめてしまいました。
でも冷静に見ると、建設費3,469万円は全国平均(3,512万円)より低いんです。
東京の家は「建物が高いから高い」のではなく、土地代3,838万円という突出した数字が総費用を押し上げている——これが東京の家づくりの真実です。
「土地代3,838万円」の衝撃
東京都の平均土地代3,838万円は、全国平均(1,495万円)の約2.6倍、首都圏平均(2,285万円)の約1.7倍という突出した水準です。
建物代は全国とほぼ変わらないのに、土地だけで3,838万円——これが「東京の家づくり」の最大の壁です。
ただしこれは都内全体の平均値。世田谷・目黒などの高級住宅街と、足立・江戸川などの比較的手ごろなエリアが混在した数字です。
エリア選びで土地代は数千万単位で変わります。
全国・首都圏・埼玉・神奈川と比べると?東京の費用は本当に高い?
「7,308万円が高いか安いか」、比較してみるとより鮮明になります。
| エリア | 総費用 | 建設費 | 土地代 | 世帯年収 | 年収倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 7,308万円 | 3,469万円 | 3,838万円 | 967万円 | 7.6倍 |
| 首都圏平均 | 5,791万円 | 3,506万円 | 2,285万円 | 800万円 | 7.2倍 |
| 神奈川県 | 5,913万円 | 3,361万円 | 2,552万円 | 833万円 | 7.1倍 |
| 埼玉県 | 5,368万円 | 3,654万円 | 1,714万円 | 733万円 | 7.3倍 |
| 千葉県 | 4,994万円 | 3,511万円 | 1,484万円 | 717万円 | 7.0倍 |
| 全国平均 | 5,007万円 | 3,512万円 | 1,495万円 | 729万円 | 6.9倍 |

この表を見ると、東京の突出ぶりがよくわかります。
建設費はどのエリアも3,400〜3,700万円と似たり寄ったりなのに、土地代だけ東京が3,838万円と飛び抜けている。
埼玉の土地代1,714万円と比べると、東京の土地代は埼玉の約2.2倍。
この差が最終的に1,940万円もの総費用差になっています。
「東京で家を建てる」という選択は、建物ではなく土地に2倍のコストをかける覚悟が必要ということです。
注目!建設費は東京が首都圏で最も安い
意外なことに、建設費3,469万円は首都圏の中で東京が最も安い水準です(埼玉3,654万円・神奈川3,361万円・首都圏平均3,506万円)。
東京の場合、土地が高いため敷地面積が狭く(125㎡)、必然的に住宅面積も小さく(104㎡)なる。
床面積が小さいほど建設費も下がる——という構造が背景にあります。
「東京の家は建物まで高い」は誤解で、土地が高い分、建物はコンパクトになっているのが実態です。
世田谷・練馬・足立・江戸川・八王子…人気エリア別の土地相場と子育て環境
「東京の平均3,838万円」といっても、エリアによって土地代は天と地ほど違います。
子育て世代に人気のエリアを、特徴とあわせて見ていきましょう。
世田谷区・目黒区(憧れの高級住宅地)
東京で「住みやすい」と人気が高いエリアの代表格。目黒区はJR山手線・東急東横線が通り、渋谷・恵比寿・横浜へのアクセスが抜群で交通利便性は最高水準。
閑静な住宅街と洗練された商業施設が共存し、子どもの進学先の選択肢も豊富です。
ただし地価は非常に高く、目黒区の坪単価は平均312万円台/坪という都内最高水準のエリア。
世田谷区も坪単価200万円超が当たり前で、30〜40坪の土地を購入すると土地代だけで6,000万〜1億円超になることも。
「東京で家を建てる」と決めた高収入層向けのエリアと言えます。
練馬区・杉並区(都心アクセスと住環境を両立)
23区の中では比較的土地が広く取れるエリアとして知られています。
練馬区は西武池袋線・豊島線・都営大江戸線・西武有楽町線の4路線が通り、池袋・新宿・渋谷方面へのアクセスが良好。
住宅街が広がり、緑も多く子育て環境が充実しています。
令和7年地価公示では練馬区の住宅地平均価格は約45万円/㎡(約149万円/坪)。
100〜150㎡の土地購入で4,500〜6,700万円程度が目安です。
世田谷・目黒より現実的で、ファミリー層が多く集まる落ち着いたエリアです。
足立区(23区内でコスパを求めるなら)
かつては治安への不安から敬遠されていましたが、近年は大きく改善し「23区内でコスパのいいエリア」として子育て世代から注目を集めています。
JR常磐線・東武伊勢崎線・東京メトロなど複数の路線が乗り入れ、都心へのアクセスも問題なし。
足立区の土地平均価格は約38万円/㎡(約125万円/坪)。
100〜150㎡の土地で3,800〜5,700万円程度と、23区内では手が届きやすい価格帯。
子育て支援も手厚く、高校生まで医療費無料などの施策が充実しています。
「23区にこだわりたいけれど予算が厳しい」という方に現実的な選択肢です。
江戸川区・葛飾区(水辺と公園に恵まれた子育てエリア)
23区トップの公園面積(区民1人当たり約10㎡)を誇る江戸川区は、自然豊かで子育て環境抜群のエリア。
492か所の公園が整備され、水辺の遊び場も充実しています。
2024年の江戸川区の住宅平均価格は約4,944万円と23区内では足立区に次いで手ごろな水準。
葛飾区も同様に比較的地価が抑えられています。
東京東部・千葉方面への交通も便利で、「東京に住みたいけど自然の多い環境で子育てしたい」という家庭にぴったりのエリアです。
八王子市・立川市(郊外でのびのびとした子育て)
東京郊外の中で「価格×利便性」のバランスが特によいエリアとして注目されています。
八王子市はJR中央本線・横浜線・八高線・京王線の4路線が乗り入れ、新宿まで約36分・東京まで約52分のアクセス。
価格は都心の半分以下で、約3,500万円前後の土地も見つかりやすいです。
立川市も多摩地区の中心都市として商業施設・行政機能が充実。
「都内に住みたいけど、のびのびと広い家を建てたい」という子育て世代に人気が高いエリアです。

子育て中のわたしが東京のエリア選びで感じること——「憧れのエリアと現実の予算のギャップ」は東京が一番大きい。
世田谷・目黒に住みたい気持ちはあっても、土地代だけで1億円近くなることも。
「どこなら現実的に手が届くか」を正直に話し合うことが、東京での家づくりのスタートラインだと思います。
足立・江戸川・八王子あたりは「23区神話」にとらわれずに見ると、子育て環境も交通も実はかなり充実しているエリアです。
年収倍率7.6倍は全国最高水準。世帯年収967万円でも苦しい東京の現実
費用の総額と同じくらい重要なのが「家計への負担感」です。
| 年収倍率(東京都) | 7.6倍 |
|---|---|
| 年収倍率(全国平均) | 6.9倍 |
| 47都道府県での倍率順位 | 2位(高い方から)※1位は鳥取県 |
| 総返済負担率(東京都) | 27.4% |
| 総返済負担率(全国平均) | 26.8% |
| 世帯年収(東京都平均) | 967万円(全国最高水準) |

年収967万円という高水準な世帯年収でも年収倍率7.6倍——。
これは「年収が高くても追いつかないほど土地が高い」という東京の厳しい現実を表しています。
返済負担率27.4%は許容範囲内とはいえ、7,308万円を30〜35年かけて返し続けるというのは、教育費・老後の資金を考えると本当に綱渡りになることも。
東京での家づくりは、特に念入りなライフプランの設計が必要です。
東京で注文住宅を建てる際に必ず確認したいこと
- 共働き前提のローン設計のリスク:育休・時短勤務・転職などで世帯年収が下がるタイミングを必ず想定する
- 教育費との競合:都内は私立学校・習い事の費用が地方より高い傾向。子どもの進学期と返済ピーク期が重なることも
- 金利上昇の影響:7,000万円超の借入では、金利が0.5%上がるだけで月返済額が数万円増える
- 固定資産税:東京は土地評価額が高いため、毎年の固定資産税も全国平均より高水準になる
東京で家を建てた人はどんな人?平均年齢43.9歳・年収967万円の実態
「東京で家を建てた311人」のプロフィールを全国データと比較してみましょう。
| 項目 | 東京都 | 全国平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 平均年齢 | 43.9歳 | 41.6歳 | 2.3歳年上 |
| 平均家族数 | 3.4人 | 3.4人 | 同じ |
| 世帯年収(平均) | 967万円 | 729万円 | 238万円高い |
| 住宅面積 | 104.0㎡(約31.5坪) | 111.1㎡ | 7.1㎡狭い |
| 敷地面積 | 125.0㎡(約37.8坪) | 251.2㎡ | 126.2㎡も狭い |

注目ポイントが3つあります。まず平均年齢が43.9歳と全国でも最も高い水準。
東京では資金を貯める・年収を上げる期間が必要で、購入決断が遅くなる傾向があります。
次に世帯年収967万円は47都道府県で突出した高さ。
それでも倍率7.6倍なのだから、改めて東京の土地の高さが際立ちます。
そして敷地面積125㎡(約38坪)は全国平均251㎡の約半分。
東京の家はコンパクトだが、その分設計の工夫で豊かな空間を作る文化が根付いています。
「世帯年収967万円」ってどんな家庭?
たとえば、夫が大手企業に勤める年収600万円・妻が同じく正社員で年収350万円(育休復帰後)で合算約950万円、というケースがイメージに近いかもしれません。
または自営業・フリーランスで高収入の方がフラット35を活用するケースも含まれます。
「東京で注文住宅を建てる=高収入の人の話」というのは、このデータを見る限りある程度事実といえます。
年収700〜800万円台の共働き世帯が東京で家を建てようとすると、エリアを23区外や郊外に絞るか、頭金を相当用意するかの選択が必要になってきます。
建設費3,469万円・土地代3,838万円の内訳を深掘りする
「7,308万円」という数字をもう一段分解して考えてみます。
建設費3,469万円について|小さくても高品質な家づくり
住宅面積104㎡(約31.5坪)に対して建設費3,469万円なので、坪単価に換算すると約110万円。
全国平均(坪単価約104万円)よりやや高め。
東京の家づくりの特徴は「狭い土地をいかに快適にするか」にあります。
3階建て・スキップフロア・可変間取りなど設計の工夫が必要で、その分設計費・施工費が上がりやすい側面があります。
また都市部の職人不足・人件費高騰も建設費を押し上げる要因のひとつです。
「小さい家=安い家」は東京では必ずしも当てはまりません。
土地代3,838万円について|敷地37坪でこの価格
敷地面積125㎡(約37.8坪)に対して土地代3,838万円なので、坪単価に換算すると約102万円。
これが東京都「全体の平均」です。
世田谷・目黒などの人気エリアでは坪300万円超もざらで、37坪なら1億円を超えます。
一方、足立・江戸川・八王子などでは坪50〜100万円台のエリアも多く、37坪なら2,000〜4,000万円台で土地が見つかることも。
東京都の「平均3,838万円」は、エリアによって大きく前後する数字だと認識したうえで参考にしてください。

子育て主婦の率直な感想を言うと——東京の家づくりで一番大事なのは、「広さへのこだわりを手放せるか」だと思います。
全国平均251㎡の敷地が、東京では125㎡。
庭は期待できないし、車を2台置くのも難しいことが多い。
でも都会の利便性、医療・教育・仕事の選択肢の広さは本物です。
「何を優先するか」をご夫婦でとことん話し合ったうえで、東京での家づくりに臨んでほしいと思います。
東京都で注文住宅の費用を抑える4つの現実的な視点
「7,308万円はさすがに厳しい、もう少し現実的にしたい」という方へ。
視点①:23区にこだわらず郊外エリアも視野に入れる
「23区内 vs 郊外」は土地代の差が数千万円になることも。
たとえば同じ40坪の土地を購入する場合:
・世田谷区(坪200万円台):8,000万円以上
・練馬区(坪150万円台):6,000万円台
・足立区(坪125万円台):5,000万円台
・八王子市(坪60〜80万円台):2,400〜3,200万円
通勤時間と許容できる土地代のラインを夫婦でしっかり話し合い、「23区でないと困る理由」を一度整理してみることをおすすめします。
視点②:狭小地・変形地を「個性」として捉える
東京では20〜30坪の狭い土地や変形地が市場に出ることも多く、その分価格が抑えられます。
整形地にこだわるより、設計力のある建築士・工務店と組んで狭小・変形地を最大限に活かすことが、東京での家づくりの賢い選択のひとつ。
3階建て・地下室・ルーフバルコニーなど、都市型住宅ならではの工夫で豊かな暮らしを実現している実例は数多くあります。
視点③:東京都・国の補助金制度を活用する
2026年現在、子育て世帯・若年夫婦世帯向けの補助金制度が活用できます。
・子育てグリーン住宅支援事業:ZEH水準住宅・長期優良住宅などを新築する場合、最大100万円の補助金
・東京都の独自補助金:ZEH補助金や耐震・省エネ改修補助など、都独自の制度も充実
ただし国の制度と都の制度は併用できないケースが多いため、どちらがより有利かを事前に確認しておきましょう。
補助金の申請時期・条件は毎年変わるため、最新情報は各自治体の窓口やFPへの相談が確実です。
視点④:頭金を厚くして借入額を抑える
7,000万円超の総費用に対してフルローンを組むと、月返済額は相当な水準になります。
頭金1,000万円用意できれば、借入額が減り返済負担率が大きく改善します。
東京での家づくりは「購入時期を少し遅らせてでも頭金を貯める」という選択が合理的なことも。
ただし「頭金を全力で入れて手持ち資金ゼロ」は禁物。生活防衛資金(最低半年分の生活費)は必ず手元に残しておきましょう。
まとめ:東京の注文住宅は「土地代との戦い」——エリア戦略が全て

- 東京都の注文住宅(土地付き)の平均総費用は7,308万円(2024年度・311件の実績値)
- 建設費3,469万円は全国平均以下。費用を押し上げているのは土地代3,838万円
- 年収倍率7.6倍・世帯年収967万円は47都道府県で最高水準。それでも返済は綱渡り
- 家を建てた人の平均年齢は43.9歳と全国最高。資金形成に時間がかかる現実
- エリアによって土地代は2,000〜1億円超と大きく異なる。足立・江戸川・八王子は23区・郊外の中でコスパが高い
- 敷地面積は全国平均の半分以下(125㎡)。「コンパクトだが工夫された家」が東京スタイル

「東京で家を建てる」という選択は、決して一部の富裕層だけの話ではありません。
でも、土地代という現実と正面から向き合うことが絶対に必要です。
「どこに住むか」「何を諦めて何を得るか」——東京の家づくりはその問いへの答えを出す旅でもあります。
このデータが、夫婦の対話を始めるきっかけになれたら嬉しいです。
東京都を含む47都道府県の比較データは、【2026年最新】都道府県別 注文住宅の建築費&土地代の平均まとめでご覧いただけます。
また、年収倍率のランキングや実際に家を建てた方の属性データについては、以下の記事もあわせてどうぞ。
・【2026年最新】注文住宅の年収倍率ランキング|47都道府県を徹底比較
・フラット35で注文住宅を建てた人はどんな人?年齢・年収・家族構成を全データ公開
独立行政法人 住宅金融支援機構「フラット35利用者調査 2024年度集計」(土地付き注文住宅)
/ 調査対象期間:2024年4月〜2025年3月融資実行分 / 東京都311件・全国6,330件のサンプルに基づく平均値
エリア別の地価情報は国土交通省「令和7年地価公示価格」・各種調査データを参考にしています。実際の土地価格は時期・場所・個別条件によって異なります。
※ 本記事の数値はすべて平均値です。実際の費用は土地の立地・ハウスメーカー・工務店の選択・建物の仕様などにより大きく異なります。
資金計画は必ず専門家にご相談ください。




