この記事では、公開されている情報をもとに『大成建設ハウジング（パルコン）』の標準仕様（標準装備）についてまとめています。
大成建設ハウジングは、コンクリート製の住宅「パルコン」を販売する大手住宅メーカーです。
パルコンはコンクリート製なので堅牢で、「強さ」に関して定評があるブランドです。
地震や台風などの災害に強く、過酷な環境下でもびくともしない頼もしさを誇る、安心の住宅として人気があります。
今回は大成建設ハウジングのコンクリート製住宅「パルコン」の魅力を、標準仕様の面からフォーカスしました。
住宅メーカー選びの参考になればうれしいです。
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【大成建設ハウジング】構造・工法の標準仕様
大成建設ハウジングのパルコンの特徴は、家屋の構造体であるコンクリートパネルを工場で生産し、建築現場で組み立てる工法を採用していることです。
一般的な鉄筋コンクリート住宅は、現場で鉄骨を組み、型枠を作ってコンクリートを流し入れ、構造を作っていきます。
このように現場で一から構造物を作っていく工法の場合、職人の技術などによって、仕上がりにばらつきが生じるのがデメリットです。
パルコンでは、コンクリートパネルを生産管理の厳しい工場で、規格に基づいて生産しています。
これによって、仕上がりが均一で高性能な建築部材を低コストで作り出すことに成功しました。
現場では組み立てるだけなのでどの現場でも品質が保証され、周囲への騒音も少なく、工期が短期間で済むというメリットもあります。
また、堅牢なコンクリート造りであるため、地震・火災・風雨・重さ・劣化・騒音・断熱などに優れた、災害に強い家が実現するのも大きな利点です。
特に、地震や火災に対する耐久性では定評があります。
地震時は様々な方向から揺れる力が建物に加わるため、家が変形して倒壊へと至る危険があります。
一般的な家屋は、柱や梁といった棒状の部材を組み合わせて、家を支えています。
コンクリートパネルを組み立てたパルコンでは、コンクリートの壁や床、屋根といった面で家を支えるのです。
このため、性能にばらつきなく、揺れによる変形の少ない、地震に強い構造を作り出すことに成功しました。
ジャパン・レジリエンス・アワード2020において「強靱化大賞」に選ばれるなど、災害に強い家であることが高く評価されています。
強靱化大賞は個別の建築物に贈られることが多いのですが、パルコンに対しては構造や設計面での強靱さが認められ、パルコンという商品全体に賞が贈られています。
また、遮音性に優れているのも注目すべき特徴と言えるでしょう。
室外の車や電車などの騒音が聞こえにくく、室内間の騒音も抑えます。
自室で音楽を聴いたり、楽器を演奏したり、騒いだりしても、他の居室に音が伝わりにくいので、静かな環境で過ごすことができます。
【大成建設ハウジング】基礎の標準仕様
パルコンは、地震に強い強固な基礎構造についても、高く評価されています。
パルコンの基礎は、地域の気候や土地の状態などに合わせて、ベタ基礎と布基礎を使い分けています。
ほとんどの地域ではベタ基礎が採用されますが、凍結リスクが高い寒冷地や、高低差がある傾斜が大きい土地などでは、布基礎が採用されることもあります。
標準仕様のベタ基礎の強度は、1平方センチメートル当たり240キロを表す24N/mm2、水とセメントの比率は50％以下となっています。
基礎の立ち上がり幅は24センチ、基礎底盤の厚さは30センチの大断面を確保していますから、しっかりと地面にコンクリートを打設できて安心です。
ベタ基礎も布基礎も、床下の土地をコンクリートで覆う工法であるため、地面から立ち上る湿気をシャットダウンし、家屋を湿気から守る役割もあります。
また、地盤・土地調査では「スウェーデン式サウンディング試験」による入念な調査が行われ、調査結果を基に最適な基礎を設計しています。
【大成建設ハウジング】外壁の標準仕様
パルコンの外壁は、大成建設ハウジングの技術が集結されたコンクリートパネルが使用されています。
一般的な外壁材であるサイディングは厚さ14～21ミリ、ALC板が75～100ミリですが、パルコンのコンクリート壁パネルの標準厚さは140ミリです。
圧倒的な外壁の厚みが、火災や竜巻、台風など、様々な災害から家屋を守ります。
火災の耐久性を調べるISO基準の耐火試験では、1000度もの高熱の火に2時間以上耐えることが実証されました。
屋内から発生する火災では発生した室内のみに火をとどめて燃え広がるのを防ぐのはもちろんのこと、隣家などからの火災に対してもコンクリートパネルが延焼をしっかりと食い止めます。
暴風にも強く、木造住宅（壁倍率5）の約20倍もの耐久性を誇ります。
水平耐力は1平方メートル当たり295キロニュートンを実現しており、秒速60メートルの超大型の台風や竜巻による暴風にも、びくともしない強靱さを備えています。
外壁のデザインはペンキの吹き付けが標準仕様となっており、様々なカラーバリエーションが用意されています。
オプションでは、コンクリート風の外壁やタイル貼りなど、ハイセンスなデザインがそろっています。
【大成建設ハウジング】屋根の標準仕様
パルコンはコンクリートで作られた立方体の家です。
そのため一般的な家屋のような屋根瓦やスレート葺き屋根とは形状が異なります。
屋根も外壁も基本的には同じ素材から作られており、防水性能を高めるために、ウレタン塗膜防水が施されています。
日本は高温多湿で梅雨など雨の日も多い土地柄です。
また、毎年台風による被害も多数報告されています。
ウレタン塗膜防水とは、ウレタンゴム系の防水材を何層にも重ね塗りした上に、保護層となるトップコートを塗って仕上げた防水工法です。
一般的な家屋に使われるシート防水とは異なり、継ぎ目がないのが特徴で、継ぎ目から雨水が浸入する心配がなく、雨水をシャットアウトしてくれます。
【大成建設ハウジング】断熱の標準仕様
外壁も屋根もコンクリートで作られたパルコンは、熱容量が大きいというコンクリートの特長を生かして、1年中快適な温度を保ちます。
この特長を最大限に生かす、断熱性能と気密性能にも優れています。
その秘密は、外壁全面に内断熱工法が採用されていることにあります。
この工法によって、ハイスペックな断熱材で家全体を包み込むことが可能になり、魔法瓶が温度を外に逃がさないのと同様の効果を生み出し、室内の快適な温度を逃がさないのです。
さらに、外壁や屋根の接合部には、密着性能の高いグラウトモルタルが充填されています。
これによって機密性を高め、断熱効果をより一層向上させました。
【大成建設ハウジング】窓の標準仕様
窓は二重ガラスになっており、内部に特殊金属膜をコーティングしたLow-E複層ガラスが標準装備です。
Low-EとはLow Emissivity（低放射）のことで、夏は室外の太陽熱を反射して涼しさを保ち、冬は室内の暖かい空気を反射して外に逃さない窓ガラスです。
一般的な複層ガラスに比べて断熱効果は150％高く、日光の光を約60％、紫外線を約82％カットする効果があります。
さらに、サッシなどの隙間には高気密性能のシールで目張りし、ピッタリと密閉されているので快適な室内の空気を逃しません。
【大成建設ハウジング】床の標準仕様
パルコンの床はシステムフローリングが標準仕様となっています。
商品名はパナソニックのベリティスフロアーSハードコートです。
こちらはシート状で、傷や汚れに強い素材が使われています。
食べこぼしや子どものクレヨンの落書き、油汚れが染みにくい素材が使われており、軽く拭くだけで汚れがさっと落ちます。
ふだんの掃除はから拭きだけで、ワックスを掛ける必要がなく、手間をかけずに美しいフローリングが維持できるのも、シート状フローリングの魅力です。
【大成建設ハウジング】キッチンの標準仕様
キッチンは、クリナップ・リンナイ・パナソニックが標準仕様メーカーとして対応しています。
他のハウスメーカーでは、カップボード（食器棚）はオプションになっているケースが見かけられますが、パルコンはカップボードも標準仕様となっており、お得です。
ただし、キッチンなど水回りの標準仕様はメーカーや商品が頻繁に変わりますから、最新の情報はカタログ請求などでご確認ください。
【大成建設ハウジング】トイレの標準仕様
トイレの標準仕様は、TOTO・パナソニック・LIXILの商品から選べます。
タンク付きトイレが標準装備となっており、タンクレスにする場合はオプションとなります。
この他、設計関連の標準仕様になりますが、トイレや洗面台、浴室といった水回りは段差のないバリアフリー設計が施されています。
老後などに万が一車椅子での生活となった場合にも、自立した生活が送りやすいように工夫されているのも、パルコンの大きな特徴と言えるでしょう。
【大成建設ハウジング】空調の標準仕様
空調は、独自開発の換気システム「タルカス-M」が標準仕様として採用されています。
「タルカス-M」は外気フィルターと循環フィルターを使った、エアサイクル型の24時間換気システムです。
二重のフィルターが花粉やハウスダスト、ダニ、PM2.5、黄砂などの異物を除去し、カテキンフィルターが風邪などのウイルスの働きを弱め、健康的で清潔な居住空間を生み出してくれます。
吸気、排気に加え空気の循環を24時間休まず行うので、いつでも全ての部屋に快適な空気が提供されます。
常に家中の空気が循環していますから、家の中の寒暖差が少なく、結露が発生しにくいことや、冬場のお風呂などでのヒートショックのリスクを軽減するのも利点です。
特に湿気の籠もりやすい浴室・トイレ・洗面所には3か所同時排気ファンを設置し、しっかりと湿気を除去してくれます。
こちらのファンにはオプションで、バス換気乾燥機を取り付けることも可能です。
【大成建設ハウジング】玄関ドア・タイルの標準仕様
玄関ドアはリクシルの製品が標準仕様となります。
防犯性を高めるために、玄関ドアはピッキングされにくいシリンダー錠のドアノブが採用されています。
災害に強いことで定評のあるパルコンですが、防犯にも力を入れており、盗難や放火などの犯罪を防ぐ対策がとられているので安心です。
オプションになりますが、ALSOKと提携した365日24時間体制のホームセキュリティシステムにも対応しています。
玄関タイルにはリクシルのベスパなどが、標準仕様として用意されています。
【大成建設ハウジング】その他・特別仕様など
高齢者でも暮らしやすいように、標準仕様の水まわりのバリアフリー設計などに加えて、特別仕様としてホームエレベーターを設置することもできます。
老後などに万が一車椅子で生活することになっても、エレベーターがあれば2階や3階にも自由に行き来できます。
エレベーターは最大で5か所まで停止でき、車椅子で出入りしやすいように、前後の2か所に出入り口を設けることが可能です。
長く住む家として、老後の自立した生活までも考慮にいれた設計ができるのも、コンクリートパネルを使ったパルコンの魅力といえるでしょう。
【大成建設ハウジング】まとめ
大成建設ハウジングのパルコンは、鉄筋コンクリートのパネルを組み立てた、箱形の構造の家であることが、他のハウスメーカーとは一線を画す特徴となっています。
一般的な木造家屋や鉄骨構造のコンクリート家屋とは異なり、柱や梁で家を支えず、コンクリートパネルという面で建物を支えています。
柱や梁などで支える従来型の家屋とは構造が異なるので、施工時の話し合いなど、とまどうことがあるかもしれません。
しかし、地震や台風、火災などの災害など、いざという時にも安心して暮らせるコンクリートパネルのパルコンは、安全性の高い家として人気です。
コンクリートならではのモダンで都会的なデザイン、防音性の高さも人気の要因と言えそうです。
コンクリートパネルの良さを十分に理解するためにも、まずはパンフレットを請求してみませんか。
